金ETF金市場の新プレーヤー?
金ETFは、金価格に大きな影響を与える新たなプレーヤーともいわれています。
実際、1300トンになろうとする金現物を保有しているわけですから、金市場での存在感は小さくないといえます。
ちなみに、2008年9月は、本来であれば下落するはずの局面だったにもかかわらず、金ETFの買いが膨らんだことによって、下落に歯止めがかかり上昇に転じたケースの典型でした。
この当時、クレジットクランチ(信用収縮)が進み、9月15日には投資銀行大手のリーマン・ブラザーズが破綻し、リーマンショックが世界を駆け巡りました。
これにより、資金供給の蛇口をしぼられた独立系のヘッジファンドや投資銀行系のファンドによる売りによって、金価格は現物、先物ともに急落し、そのまま際限なく下落していっても決しておかしくはなかったのです。
金価格の反転のきっかけは金ETFだった?
しかしながら、9月17日になると金価格は突然上昇に転じました。具体的には、現物、先物ともに急騰し、一挙に100ドル程度も値を戻したのです。
そのきっかけとなったのは、機関投資家(年金基金)による金ETFの大量購入であり、金ETFが反転の起爆剤の役割を果たしたといえそうです。
つまり、需要が増えれば価格は上昇しますから、金ETFの成長と歩調をあわせるべく、金価格も上昇したのです。
金ETFは金(ゴールド)の現物を裏付けとして保有しますので、金市場に対してはダイレクトな影響力をもっているとともに、今では金ETF自体が金価格を下支えする役目を果たしているといえます。
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