現物の金（ゴールド）には前述したような難点がありますが、その点、金ＥＴＦでしたら金（ゴールド）の特徴を保ちつつ、利便性にも優れています。

また、金ＥＴＦは、有価証券としても手軽に売買することが可能であり、まさに年金基金が待ち望んでいた商品であったわけです。

そうした意味では、むしろ、金ＥＴＦという商品は、年金基金のニーズに沿って組成された商品といえるのかもしれません。

年金基金が株式や債券以外の代替資産（オルタナティブ）に注目するようになったきっかけは、エンロン、ワールドコムの破綻だったといわれています。

実際、不正会計が原因でエンロンが破綻したときには、次のように年金基金は軒並み多額の損害を被っています。

■フロリダ州職員退職年金運用管理理事会･･?億3500万ドル
■カルパース･･?億520万ドル
■ウィスコンシン州職員退職年金投資理事会･･･�?500万ドル
■ニューヨーク州職員退職年金基金･･･�?800万ドル

このような失敗に懲りた年金基金は、その後、企業の不正会計に目を光らせつつ、証券会社や資産運用会社などに「利益相反防止策」を強く求めたのですが、この頃から、株式や債券以外の金融商品を資産運用ポートフォリオに加えるようになったものと思われます。

年金基金は、いまでは各国の中央銀行、銀行、投資銀行、保険会社などと並び、世界の市場を舞台に24時間体制で行なわれるマネー取引の主役となっており、その勢いはとまらないといえそうです。

□金価格の下落とワシントン協定
□年金基金と金ＥＴＦの関係は？
□ヘッジファンド・年金基金の投資方針は？
□ブラックロックとは？
□ファンド・オブ・ファンズの動きとは？

□年金基金と金価格の上昇の関係は？
□ヘッジファンドの金相場に与える影響は？
□金ＥＴＦが金価格に影響を与える？
□ブラックロック・ゴールド・ファンドとは？
□ライフスタイルに合った投資方法とは？