産金コストの問題
近年の鉱山生産量は下降気味ですが、こうした生産量が減少している大きな理由の1つに産金コストの問題があります。
つまり、金(ゴールド)を発掘するには、相当のコストがかかるということです。
具体的には、2005年の平均産金コストは1トロイオンスあたり269ドルですので、近年の価格でしたら十分利益が出そうなものですが、実際には金価格が269ドルを下回った時期もあり※、そういうときには掘れば掘るほど損失が増えたことになります。
しかも、比較的採掘しやすい場所というのは、あらかた掘ってしまっていることから、残っているのは海底やジャングル、凍土など採掘が難しい地域とされています。
なので、たとえ埋蔵量は多くても、簡単に採掘できるわけではないのです。
※例えば、1999年7月20日には最安値252.80ドルをつけています。
世界的な環境意識の高まり
金(ゴールド)が供給過剰にならないだろうといわれている第2の理由として、世界的な環境意識の高まりがあります。
これは、金(ゴールド)だけでなく、銀、プラチナ、レアメタルなど金属資源の採掘には環境破壊がつきものだと考えてよいといえます。
具体的には、山は丸裸になり、土砂災害の危険性が増すとともに、精錬の過程では有害物質を排出するわけですから、その対策が必要になるのです。
それが必然的に産金コストの上昇につながることから、採掘は年々難しくなっているといわれています。
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