ドルの為替レートに影響を与えているものとは?
ドル/円に限らず、為替レートに影響を与えるものとしては、インフレ率、貿易収支、生産性指数などのファンダメンタルズ(経済の基礎的条件)や内外金利差、需給、通貨介入などがあげられます。
ドル/円の関係でいいますと、かつて為替レートに最も大きな影響を及ぼしたのは、貿易収支の動向でした。
貿易収支が黒字である国は、経済の国際競争力が強いとみなされ一般的に為替相場が上昇します。
例えば、日本の貿易黒字と米国の貿易赤字が拡大して、貿易摩擦がクローズアップされると、為替は円高ドル安に向かい、反対に日本の黒字幅が縮小すると、円安ドル高に向かったということが多かったといえます。
ただし、近年は貿易収支の動向は、それほど重要な要因ではなくなってきています。
消費者物価指数と金価格の関係は?
インフレ率(消費者物価指数)というのは、金価格にとって極めて重要な指標といえます。
というのは、インフレは通貨価値が下落することですから、為替レートに多大な影響を与えるとともに、インフレそのものの結果として、ペーパー資産を嫌った投資家が金(ゴールド)などの実物資産に資金を移動させる傾向があるからです。
つまり、需要増が価格上昇につながるということです。物価が上昇すると通貨は売られ、物価が安定していると通貨は買われます。
ただし、相手国のインフレ率との見合いで、相手国よりインフレ率が低ければ為替相場は下落します。
その他の物価指数は?
物価指数には、ほかに生産者物価指数や輸入物価指数などがあります。
なお、消費者物価指数(CPI)は、米国政策金利に影響を与えるともいわれていますので、しっかり確認しておきたいところです。 |