「金」と通貨の関係は?
1944年に発足したIMF(国際通貨基金)体制のもと、米国は金本位制を導入し、1トロイオンス=35ドルでドルと金地金を交換できるようにしました。この金本位制は、1971年8月のいわゆるニクソンショックまで続きました。
しかしながら、ニクソンショックによって「金」とドルとの交換が停止され、さらに1973年には為替相場が固定相場制から変動相場制に移行したことから、「金」と各国通貨との関係もなくなってしまいました。
そして、それ以降は、「金」も為替相場も独立した市場を形成するようになり今日に至ります。
ちなみに、現在、海外市場の金価格がドル建て表示になっているのは、「金」とドルとの関係が強かった名残であるといえます。
なお、米ドルや他の通貨の価値が下落するときに「金」が買われやすくなるという傾向については、現在のところも変わっていません。
金本位制とはどのようなものですか?
金本位制というのは、「金」を通貨価値の基準とする制度のことをいいます。
この制度のもとでは、中央銀行が自ら発行した紙幣と同額の「金」を保管し、「金」と紙幣の兌換(交換)を保証します。19世紀に英国がはじめて採用し、日本でも1897年に制度が確立されました。
しかしながら、1929年の世界恐慌をきっかけに、主要各国は管理通貨制へと徐々に移行したことから、この金本位制の時代は終わりました。 |