「金」が資産運用の対象に
かつての日本では、金地金を資産運用の対象と考えている人は少数派でしたが、ここ数年で、金投資に目覚める人が急増しています。
これは、日本人の「金(ゴールド)」に対する考え方が変わってきたということにほかなりません。
日本人が「金」に注目し始めたきっかけとなったものの1つとして、2005年のペイオフの全面解禁があります。
これまでは金利がほとんどゼロであっても安全性だけは完璧であった銀行預金が、ペイオフの全面解禁により、元本1,000万円を超える部分については、決済用預金を除けば元利金の返済が保証されなくなってしまったからです。
バブル経済の崩壊によって、大手銀行や大手証券会社などが次々と破綻していったことは記憶に新しいところですが、ここ最近、株安やインフレ懸念など景気の先行きが不透明になっているだけに、金融不安の再来がないとは言い切れません。
つまり、預金者の間に、リスクをとってでも投資商品にチャレンジしようという動きが広がった結果、「貯蓄から投資へ」と個人マネーが動き出し、分散投資の一環として金市場にも資金が流入するようになったということです。
金融ビッグバンと金投資
金融ビッグバンにより金融商品の多様化が進み、新しいタイプの商品が相次いで登場してきたことも、一般的な考え方として分散投資が定着しつつある要因といえます。
つまり、かつて金融資産は預貯金のみという人も、「金」はペイオフ対策としても有効であると考えているものと思われます。
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