為替介入の効果は?
相場は行き過ぎるものであると言われますが、これを英語でオーバーシュートといいます。
マーケットがどちらかに大きく動いている状況下では、そのエネルギーを吸収するのはかなり難しいです。
というのは、マーケットがひとつの方向に動き始めると、「売りが売りを呼ぶ」あるいは「買いが買いを呼ぶ」といわれるように、本来は取引に参加するはずではなかった人たちをも巻き込んでいくからです。
このように市場の動きが一方向にどんどん進んでいくときには、マーケットの勢いが強すぎるので、どんなに為替介入を実施しても、なかなか効果が上がらないという場合があります。
こうなると、当局(財務省)は介入の続行をせざるを得ませんが、市場に勢いがあるうちは、どんなに介入してもその効果はなかなか見えてきません。
しかしながら、為替相場というのは需給で動きますので、市場の需給を曲げるくらいの金額で介入を継続していけば、いつかは効き目は現れます。
当初は、市場もパニック状態に陥っていますので、投機資金などが一気になだれ込みますが、それを何度も食い止めているうちに、介入の合計金額が次第に膨れ上がってきて、需給そのものが歪んでくるからです。
そして、その後しばらくすると相場はもみ合い状態となり、膠着状態が続いた後、何かのきっかけで反転を始めます。
こうした流れが、過去においては典型的なパターンとなっています。
なお、そのときの市場環境によっても変わってきますが、為替介入を実施してから、市場に効果が現れるまでの期間としては、数か月経過してから反転というのが一般的です。
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