円売り介入と円買い介入
日本の為替介入には、円売り介入と円買い介入とがあります。
円高に進んでいるときには円売り介入、円安に進んでいるときには円買い介入が実施されます。
円売り介入の場合は?
円売りの為替介入の場合は、各銀行を通じて円を市場で売って、ドルやユーロを買います。
まず、政府保証債を発行して円を調達し、それを市場で売って外貨を購入します。
そして、購入したドルやユーロは、そのまま外貨準備という形で残され、銀行に預金したり、米国債を購入したりして運用されます。
円買い介入の場合は?
円売りの為替介入の場合は、手持ちの外貨を市場で売って、円を市場から買います。
なので、手持ちの外貨がなくなってしまった場合には、それ以上の介入ができなくなってしまいます。
つまり、為替介入が可能な金額は、外貨準備の金額以内となるということです。
それを超える場合には、外国の中央銀行からドルやユーロを借りてくることなども可能ですが、それでも限界はあります。
そういった意味では、日本の当局(財務省)にとっては、円安よりも円高の方が怖いということがいえます。
円高の場合には、いくらでも円売り介入ができますが、円買い介入については、外貨準備の範囲内という限界があるからです。
よって、将来日本がインフレになって、想定外の円安に加速したりすると、日本は非常に危険な状態に陥る可能性もあります。
とはいえ、日本には、年間十数兆円規模の貿易黒字があり、構造的に円高になりやすい体質といえますので、あまり心配する必要はないのかもしれません。
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