企業買収の為替取引
企業を買収する際には、次のようなパターンで、それに必要な資金を確保する必要があります。
■手持ち資金を外貨に替えて資金にするケース
⇒ このケースが一番単純なケースになりますが、この場合は、実際に為替取引が行われますので、多かれ少なかれ相場に影響を与えます。
■現地で資金調達するケース
⇒ 例えば、日本企業が米国企業を買収するときに、米国でドル建ての社債を発行して、買収に必要なドル資金を集めるという方法にです。
■株式交換を使って企業買収を行うケース
⇒ 増資によって自社の株式を発行し、その株式を買収のターゲットである企業に渡すという方法です。
ちなみに、現地で資金調達するケースと、株式交換のケースでは、為替取引は発生しません。
ただし、実際の企業買収では、上記の3つの方法を組み合わせて行われる場合が多いので、直接投資が活発になったからといって、実際にどの程度、為替相場に影響を与えるのかというのはわかりにくいといえます。
よって、大型買収案件の噂に乗じて相場を動かそうとするファンド等によって、一時的に為替相場が動くこともあります。
しかしながら、その後、現地で買収資金を調達したり、株式交換を用いたりするなど、為替取引が発生しない買収だということがわかると、外国為替市場には失望感が漂い、一気に相場が反落する場合もあります。
このような場面で、最初の動きについていってしまいますと、結果的に相場の反落のときにやられてしまいがちですので、注意が必要です。
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