金融市場の特性により異なるファンダメンタルズ分析
ファンダメンタルズ分析というのは、金融市場の特性によって異なります。
例えば、将来に渡るキャッシュ・フローの現在価値を算出し、ファンダメンタルズ(経済諸条件)を考慮した適正価格を判断するという理論が確立されているのは、5つの金融市場※のうち、短期金融市場、債券市場、株式市場の3つの市場だけです。
ただし、その3つのそれぞれの市場で、複数の適正価格算出モデルが存在することから、どれが最も適正な価格なのかという判断が難しい面もあるのですが、いわゆるファンダメンタルズ分析と呼ぶにふさわしい分析手法というのは確立されています。
一方で外国為替市場と商品先物市場においては、将来に渡るキャッシュ・フローというものが存在しません。
つまり、実務者も利用するファンダメンタルズ(経済諸条件)を考慮した適正な現在価値や価格を算出するモデルがなく、適正価格というものが存在しないということです。
※短期金融市場、債券市場、株式市場、外国為替市場、商品先物市場の5つです。
外国為替市場のファンダメンタルズ分析とはどのようなものですか?
結論から申し上げますと、外為関係者の間において「これがファンダメンタルズ分析である」という共通の認識が置かれているものは存在していません。
なので、大雑把にファンダメンタルズ(経済的諸条件)のいずれかをもとに、各人が独自の判断で市場予測・分析することをファンダメンタルズ分析と呼んでいます。
つまり、外国為替関係者の数だけファンダメンタルズ分析が存在するわけで、それは非常に曖昧なものといえます。
なお、学者を中心に展開されている外国為替の適正価格算出モデルもいくつか存在します。 |